非常用持出袋(防災セット)について考えるの3回目。
1回目の記事では、市販品の防災セットの中でお勧め出来るものを紹介しました。
2回目の記事では、非常用持出袋として使える大型かつ安価なリュックを紹介しました。
3回目の今回は、防災セットに入れてほしいグッズを一つずつ選んでいきます。市販品の防災セットはとても良い物もありますが、なるべくたくさんの人に使ってほしいという考え方で作られているので、軽量、コンパクトでかつ、品数が多いという構成になっています。
軽量、コンパクトなのに、品数が多いという事は、一つ一つのグッズが必要最小限になってしまっているのです。でも、どのグッズがどれくらい必要かは、家族構成によって変わります。非常用持出袋には入っているけど全く使わないというグッズも出てきてしまいます。
やはり、非常用持出袋は、自分で本当に必要な物を必要な分だけ選んだほうが良いというのが山猫の結論。でも、何もわからない状態で防災グッズを選べ!といっても無理があると思います。だって、災害時に何が必要なのかよくわかりませんよね。。そこで参考になるのが、市販品の非常用持出袋。
まずは、市販品に入っているものを参考にしつつ、本当に自分たちに必要なグッズをそろえていくのが良いですね。
今回の記事では、1回目の記事で紹介した市販品の非常用持出袋【防災グッズ】地震対策30点避難セット ~避難生活で必要な防災用品をセットした非常持出袋(防災セット)に入っているグッズを基本に、おすすめ防災グッズを紹介していきます。
防災グッズを選んでいこう
幸い本ブログでは、たくさんの防災グッズを紹介してきました。非常用持出袋の中に入れてほしいグッズもたくさんありますので、過去記事と合わせて提案させていただきます。
1.ダイナモ多機能ライト(手回し発電式・LEDライト・携帯電話充電・FMAMラジオ・サイレン)
最初に登場したのは、ダイナモ多機能ライト。LEDライトと、ラジオが一体になったものですね!手回しの発電機もついて、これ一台でなんでもこなせる防災グッズの代表格です。
でも、山猫は、この多機能ライトをお勧めしていないのです。。。
なぜ、お勧めしないかは以下の記事に詳しく書いているのですが、
一口で言うと、どの機能も中途半端なのです。確かにすべて一体型になっているメリットはあるのですが、どれも中途半端でなんとか使えるけど。。というのがほとんど。一体型だからといって値段を高くすると誰も買ってくれないのだろうと思うのですが、あまり積極的におすすめできないというのが正直な感想。
どの機能も素晴らしい!というダイナモ多機能ライトが販売されれば一押しになるのですが。。
それよりは、コンパクトでかつ実際に使える製品を選んだほうが良いと山猫は考えています。では、ダイナモ多機能ライトの一つ一つの機能を分解しておすすめを紹介していきます。
LEDライト(懐中電灯)
LEDライトは年々性能が向上しています。LEDは発光ダイオードと呼ばれる半導体でLED自体の歴史はかなり古いのですが、照明用に使われるようになったのは最近の事。LEDの性能がどんどん向上しているのでLEDを使ったらライトも年々良い物が出てきています。
山猫は何回か、おすすめのLEDの懐中電灯を紹介してきました。
LEDライトは、ものすごいコンパクトな物(ただし明るさはそれなり)から、めちゃくちゃ明るい物まで沢山の種類が売られていますが、非常用持出袋に入れる懐中電灯は、性能と大きさのバランスが取れている、50~200ルーメンクラスの物。しかも単三電池を使う物をお勧めしています。これは、山猫の個人的な感覚なのですが、最も手に入りやすい乾電池は単三型だと思うのです。
非常用持ち出し袋に入れる懐中電灯で、山猫がおすすめするのは以下の2種。価格もリーズナブルなので、複数本準備したいところです。
GENTOS(ジェントス) LED 懐中電灯 【明るさ45ルーメン/実用点灯10時間/防滴】 単3電池1本で使える DM-031B ANSI規格準拠 停電時用 明かり 防災
GENTOS(ジェントス) LED 懐中電灯 【明るさ120ルーメン/実用点灯7時間/防滴】 DM-032B ANSI規格準拠 停電時用 明かり 防災
どちらも、単三型電池、防滴、エネループ使用可能、1m落下耐久 と、防災用として申し分ない性能を持っています。
単四型も手に入りやすい乾電池ですが、単三型に比べると、電池の容量が少ない割には価格が高いかなあという印象。エネループなどの充電式電池も基本は単三型ですからね!
ただ、これから先、電気製品の低消費電力化が進むと、単四型が標準になる日も来るかもしれませんね!
LEDライト(ヘッドライト)
避難時に使うライトと言えば、懐中電灯がまず思い浮かびますが、実は頭につけるヘッドライト(ヘッドランプ)がかなり便利なんです。なぜかと言うと、避難時は荷物を持ったり、子どもの手を引いたり、なるべく手をあけておきたいのです。ヘッドランプは頭につけるタイプのライト。頭につけるという事は、常に見ている方向を照らしてくれるという事なのです。探し物をするときは懐中電灯の方が便利な場合もありますが、夜中に避難所に移動するときは、ヘッドランプの方が便利なんです!
このブログでは、お勧めのヘッドライトを紹介しています。
FM/AMラジオ
ソニー SONY ハンディーポータブルラジオ ICF-P36 : FM/AM/ワイドFM対応 横置き型 ブラック ICF-P36 B
災害時の情報収集は、ラジオが便利。最近は家でラジオを聴く人はどんどん少なくなっています。普段の情報収集はもっぱら【スマホ】という方も多いのでは。。
でも、災害時ではラジオが大活躍するのです。東日本大震災の時も、最も役に立った情報収集ツールは、FM/AMラジオだった!という声を良く聞きました。
スマホなど高速にデータをやり取りするツールは、電波が正常に届いている場合はめちゃくちゃ役に立ちますが、電話の基地局がダウンしてしまうと、急に使えなくなります。
また、電波が飛んでいる場合でも、出来るだけ、スマホの電池は残しておきたいもの。スマホは、情報収集だけでなく、電話やメールなどで、外部との連絡を取る重要ツールですからね!
このブログでお勧めするラジオは、以下の記事に詳しく書いてあります。
普通のラジオでも十分役に立つのですが、世の中には広帯域無線受信機(ワイドバンドレシーバー)という、ラジオの親玉のような製品が売られています。
普通のラジオでは聞けない電波を拾う事の出来る、広帯域無線受信機も災害時の強い味方。(昔は、消防無線や警察無線も広帯域無線受信機で聞く事が出来たのですが、残念ながら聞くことが出来なくなってしまいました。)それでも、普通のラジオでは聞く事の出来ない、ローカルな情報が聞ける場合もあります。
ワイドバンドレシーバに関する記事はこちら
携帯電話の充電器
情報収集ツールは、ラジオが一番役に立つと山猫は考えているのですが、電波さえ飛んでいれば、スマホや携帯は、外部からの情報を得たり、メールや電話を掛けたりと災害時でも、とても役に立つアイテム。でも、スマホは電池を結構食うので、すぐに電池切れになってしまうという弱点があります。
電気が止まってなければ、普通に充電できるのですが、災害時は停電してしまう場合が多いですよね。また、自宅は不用意にブレーカーをあげて、電気を流してしまうと危険な事も。。火災になってしまう危険性があります。もし避難所で電気が使えても、避難所のコンセントは、避難者の携帯の充電のため、ものすごいタコ足配線になってしまう事も。。
なかなか難しい所です。
そこで、山猫がお勧めするのが、ソーラーパネルを使った充電器。このソーラーパネルを使った充電器は選び方が難しい。パネルの小さな物は、価格も安いのですが、充電能力が不足気味。一日中快晴であればなんとか使える物も、曇りや雨の日には役に立ちません。これでは困ってしまいますね。。
雨天は、さすがに厳しいですが、曇りや晴れの日は問題なくスマホや携帯を充電させたいですよね!
本ブログでは、オフグリッドソーラーを自作しよう!という記事を長期連載していました。
オフグリッドソーラーとは、電力会社の電力網を使わずに、ソーラーパネル、コントローラ、バッテリーで構成された発電システムの事。
本ブログでは、災害時の電力として使えるオフグリッドソーラーと、電気柵用の電源として使える(しかも防災用としても使える)電気柵用オフグリッドソーラーの作り方を特集しています。
でも、オフグリッドソーラーをつくるなんて無理!という方のために、折り畳み式のソーラー充電器も紹介しています。
2.災害備蓄用 長期保存水
次は長期保存水です。part1で紹介した市販品には、500mlの保存水が4本入っていました。つまり2リットルですね!一日に必要な水の量は1人当たり3リットルと言われていますから、2リットルあれば半日以上は大丈夫。。ちょっと心もとないですが、水は重たいのであまりたくさん持ち歩くわけにもいきませんね。。なんと1リットルの水は1kgもあるのです。(当たり前ですが。)
家族用の水をお父さんが運ぶという事を考えると、、大人2人 子ども2人の家庭で考えると、一日で必要な水の量は、12リットル(つまり12kg) これだけの水を運ぶのは、はっきり言って辛い。しかもこれだけ運んでも1日分しかありません。。2日分 24リットル(つまり24kg)を運ぼうとか考えると、もはや罰ゲームのレベル。。
なんとかならないですかね。。
山猫の考えは、ペットボトルの水はもちろん大事だけど、飲める水を作り出すという考えもあるという事。そのままでは飲めない川の水を浄化して飲み水に変える携帯型浄水器というものが売られているのです。ただ、浄化できそうな河川のある田舎なら実用的ですが、都会では難しいかもしれません。その場合は重いですがペットボトルの水重視で考えた方がよいと思います。
住んでいる場所や家族構成でどのくらいの量の水をどうやって得るか?という事を家庭毎に考えていく必要があると思います。
ちなみに山猫お勧めの保存水は以下の記事で紹介しています。いままでは5年の保存水が主流でしたが、もっと保存期間の長い水が市販されています。中には15年保存という信じられないくらい長く保存できる水も。。
記事中に紹介した商品は、2リットルのペットボトル入りですが、500mlペットボトルも売られています。長期避難が始まって、生活が落ち着いてきた場合は、2リットルのボトルの方が便利だと考えていますが、とりあえず、避難するという場合は、ペットボトルの水を直接飲む可能性が高い。その場合は、短時間で飲み切れる500ml入りが便利です。非常用持出袋に入れる水は、500mlの方がよいと山猫は考えています。
川の水や雨水を飲める水に変える、簡易型浄水器の記事はこちらです。
とても小さくて軽いのに、何百リットルの水を浄化できる優れものです。いろいろな特徴のある製品が販売されていますから、住んでいる地域の実情に合わせて選んで欲しいです。
とりあえず今回はこの辺で、非常用持出袋に入れる防災グッズを選ぶ!はまだまだ続きます。
お楽しみに!
~非常用持出袋(防災パック)を作ろう 続きの記事はこちら~
~記事まとめページはこちら~
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