今日は電気のお話から。。そんなめんどくさい話はいい!私はお勧め商品がしりたいんだ!という方もいるとは思いますが、大事な話なので、読み飛ばさずに読んでくれると嬉しいです。
電池(バッテリー)は直流、家庭用の電気は交流
今、皆さんが使っている電気は、大きく分けて2種類。それが、直流と交流です。
図に書くとこんな感じ。
真ん中の点線は、基準電位(0V)の線。赤い線が電源線を表しているのですが、、左側の交流と、右側の直流。同じ電気なのにだいぶ雰囲気が違いますよね。。
直流は常に電流の向きが一定。交流は時間によって電流の向きが変わると説明されますが、ちょっとよく分からないですよね!
とにかく、直流と交流は違うもの。電池やバッテリーなどは直流。家庭用コンセントは交流と考えましょう。
大事なのは、直流も交流も電気の強さは電圧(ボルト [V])で表しますが、同じ電圧でも直流と交流はだいぶ違う点。直流の100ボルト[V]と交流の100ボルト[V]は似て非なるものということを覚えて下さい。
家庭用電気機器を自動車やオフグリッドソーラーで使うには?
自動車やオフグリッドソーラーは12ボルト[V]や24ボルト[V]の直流。(自家用車は12ボルト[V]が標準です)
一方、家庭用電気機器は交流の100ボルト[V]
当然、交流100ボルト[V]の機器を直流12ボルト[V]に直接つなぐことはできません。
そこに登場するのが、直流12ボルト[V]や24ボルト[V]を交流100ボルト[V]に変換してくれる便利グッズ(DC-ACコンバータ)なんです!(インバータとも言います)
オートバックスやイエローハットなどのカー用品店に行くと、色々な種類のインバータが売られているのですが、実は選び方が大事なんです。
DC-ACインバータの選び方
売り場に行くといろいろな製品が売られています。沢山あるので迷ってしまいますね!
ここで問題になるのが、電流容量と交流波形なんです。
電流と電力って?
電流とは電線に流れる電気の量の事。アンペア[A]と言う単位で表します。
電力とは、電圧と電流の掛け算。ワット[W]という単位で表します。電気のパワーはワットで考えるのが基本なんです。
電気製品の説明を見ると、必ず、消費電力は何ワット[W]とかかれています。
例えば電球、一昔前に主流だった白熱電球の消費電力は40ワット[W]~100ワット[W]
家庭用コンセントの電圧は100ボルト[V]ですので100ワット[W]の電球の場合
100ボルト[V]1アンペア[A]ということになります。
ちなみに家庭用の普通のコンセントは15アンペア[A]までの電気製品が使えるというのが基本。
つまり100ボルト[V]×15アンペア[A]=1500ワット[W]ということです。
家の中の電気製品を見ると1500ワット[W]以上の物はほとんどないことに気がつきます。これはコンセントの制限だったのですね!
では、1500Wのインバータを買えばいいの?
なるほど、家庭用電気機器をすべて使えるようにするには1500ワット[W]以上のインバータを準備すれば良いのか!とも思いますがそれはちょっと待って下さい。
確かに1500ワット[W]のインバータは売ってはいるのですが、正直な所、自動車やオフグリッドソーラーのバッテリーには荷が重すぎる場合が多いのです。
小型のオフグリッドソーラーシステムや、自動車に使われるバッテリーは、500Wh~1000Whくらいの大きさ。ちなみに、1000Whのバッテリーとは、
1000ワット[W]の電力を1時間使うと空になってしまうという意味。つまり、1500ワット[W]のインバーターをつないで、1500Wの電気機器(ドライヤーとか電気ストーブ)を使うと、一時間もしない内にバッテリーが空になってしまうのです。自動車はエンジンをかけていると発電機が動いて、バッテリーを充電しますがとても間に合いません。
つまり、1500ワット[W]のインバータを使うためには、バッテリーや発電機もインバータに耐えられるように強化しなくてはいけないという事になるのです。
私は、掃除機やドライヤーを短時間しか使わないから大丈夫!という人であれば、大容量のインバータを使う意味はあるのですが、その場合は、電気を使いすぎるとバッテリーが使えなくなってしまうという事を常に意識する必要があります。
もちろん1500ワット[W]のインバータをつないでも、その先につなげる機器の消費電力が小さければ問題ないのですが、それならわざわざ高価で大きなインバータを買う事はないですよね。
出力の大きなインバーターは、インバータ自体もかなり電気を使いますし、大型のファンが付いている事も多くて、ファンの回る音がうるさいのです。
自分が使う予定の電気機器がどのくらい電力を消費するのか?よく調べてみてなるべく出力の小さなインバータを選ぶのがポイントです。
もう一つの要素、交流の波形
もう一度、交流と直流の絵を見てみます。
交流は、定期的に電圧が波打っているのですが、実はこれにもルールがあります。50ヘルツ[Hz]とか60[Hz]とか言う言葉を聞いたことがある人もいると思います。これは、1秒間に何回波打っているかを表していて、日本の場合、東日本は、50ヘルツ[Hz](つまり1秒間に50回振動)西日本は60ヘルツ[Hz](1秒間に60回振動)と決まっているのです。
しかも、電圧の変化は、サイン波形と呼ばれる滑らかな動きをすると決められています。
家庭用の電気機器は、交流電源は歪のないサイン波でかつ、50ヘルツ/60ヘルツである事を前提に作られているのです。そのため、交流波形が商用電源と大きく違っていると、上手く動かない事があるのです。
市販されいている安価なインバーターは、サイン波(正弦波とも呼ばれます。)とは違い、矩形波とか、疑似サイン波(疑似正弦波)と呼ばれる波形を出力している場合が多い。
矩形波とか疑似サイン波(疑似正弦波)を絵で表すと。。
滑らかな、正弦波と比べて、矩形波、疑似正弦波は、カクカクした動きになっていますね。滑らかな正弦波を出す回路はコストがかかるので、矩形波や、疑似正弦波で代用しているわけです。
もちろん、矩形波でも動作する機器は多いので、矩形波出力のインバータだからと言って全く役に立たないわけではないのですが、「電気機器を繋いでみたけど上手く動かない」という事が起こる可能性は十分あります。
また、矩形波や疑似正弦波出力のインバーターはノイズも多めの場合が多く、オーディオ等は、動いてもノイズが乗って音楽が綺麗に聞こえないという事も起こります。(このあたりは程度問題なのですが。。)
出来れば、正弦波出力のインバータを選びたいのですが、ネックになるのは価格。商用電源なみの歪の少ない正弦波を出せるインバータは非常に高価。でもそれだけの価値があるという事をご理解ください。
山猫お勧めのインバータ
矩形波出力のインバータ
まずは、安価な矩形波出力のインバーター。
この中で、山猫がお勧めするのが、セルスター DC/ACインバーター HG-150/12V DC12V専用です。
定格出力150Wの小さなインバータですが、自動車や小型のオフグリッドソーラーで使う場合は、まずこのサイズを基準にして考えた方が良いと思います。シガーソケットで使えるのはこのサイズまでという事も重要ポイント。シガーソケット(最近はアクセサリーソケットと呼ばれていますが。。)は、あまり電流を流す事が出来ないので、このサイズのインバータまでしかつける事が出来ないのです。(これより大きな容量のインバータの場合は、バッテリーの端子に直接配線します。)
まずは、150Wでどこまで使えるか?という事を考える事が重要。家庭用コンセントに比べて、容量が1/10しかないじゃないか!と言われそうですが、調べてみると以外と150Wで十分使える電気機器はあります。
ノートPCのACアダプタは、50W程度の物が多いので、車内でノートPCを使いたいという場合はこのくらいの容量で十分なのです。
価格も、2000円~3000円くらいと手を出しやすい価格です。このサイズではファンが必要ないので無音なのもGood ポイントです。
矩形波出力のインバータはいろいろなメーカーが出していますが、セルスターはその中でも安定した評価を得ているメーカーです。インバータはトラブルの多き機械ですので、出来るだけ信頼できるメーカーを選ぶのがポイントです。
正弦波出力のインバータ
次は、正弦波出力のインバータ。
山猫がお勧めするのが、電菱 (DENRYO) [SK120-112] 正弦波インバータ SKシリーズ SK120112です。
高性能のインバーターを語る上で欠かせない、電菱製のインバータ。数少ない、日本製のインバータ製造メーカーでもあります。定格出力は120Wの小さなインバーターですね。
価格は、矩形波出力のインバータの何倍もしますが、その性能は折り紙付き。歪率3%以下の非常に美しい正弦波を出力します。
はっきり言って、価格に見合う素晴らしい性能のインバータだと思います。
製品の質や性能、信頼性を考えると、電菱のインバータを選びたくなるのですが、価格を考えると、悩んでしまいますね。とりあえずセルスターを買って、使えない機器があったりノイズが気になった場合は、電菱製を買うというのも一つの考え方かなと思います。
今回上げたのは、出力150Wクラスの小さなインバータですが、両社とも、もっと大きな出力のインバータも販売していますよ!
以上、今回は、自動車やオフグリッドソーラーで、家庭用電化製品が使える、DC-ACコンバータ(インバータ)の紹介でした。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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