(この記事の最終更新日は、2022年4月11日です。)
今回の記事は、防災グッズの中に、放射線測定器を入れておいた方が良いというお話だよ。
出来れば使わないで済めば良いのだけど・・・
今日は放射線測定器について。
東日本大震災が起こるまでは、防災グッズに放射線測定器を入れるなんて考えもしませんでした。
なぜ、防災グッズに放射線測定器が必要なのか?
皆さんご存知の通り、東日本大震災が起こった結果、福島第一原子力発電所は、6基の原子炉の内、4基が爆発。
福島第二原子力発電所、女川原子力発電所、東海第二原子力発電所、東通原子力発電所は、ギリギリの所で大事故を免れました。
福島第一原子力発電所の事故は、確かに破局的な事故でしたけれど(今も事故は継続中ですが、、)、実はもっとひどい事故になっていた可能性も十分ありました。
今現在、日本国内には、50基以上の原発があり、大きな地震が発生した時は、常にどこかの原発に被害が出ています。
東日本大震災の後は、ほとんどの原発は停止状態が続いていますが、各原発には、使用済み核燃料というものが大量に保管されています。
この、使用済み核燃料というものは、核のゴミの塊です。
いつもは、大きなプールで冷却されていますが、プールの冷却が止まり、空気中に出てくると大変な放射能をまき散らす、とても危険な物質なのです。
だから、原発が止まっているといっても全然安全じゃないのですね!
一旦、原発が事故を起こし、大量の放射性物質をまき散らす事態になると大変です。
放射性物質は、雲のような塊になって、地表近くを風にのって移動していきます。
この、放射能の雲が近づいてきたら、出来るだけ密閉された室内で静かに放射能の雲が通りすぎるのを待つしかありません。
雨や雪が降っていると放射性物質が地面に落ちてしまい、土地が汚れてしまうのですが、雲のまま通りすぎてくれると、比較的汚染が軽く済む場合もあります。
まずは、この放射能の雲を避けるというのがとても大事です。
しかし、放射能の雲は目に見えません。匂いもありませんので、気が付かないうちにやってきて、体の中に入ってきてしまうかもしれません。
放射能の雲が近づいてきているどうかを知る手段はとても大事です。そこで、
放射線測定器というものが必要になるわけです。
一般に手に入る放射線測定器の性能
東日本大震災の後、放射線測定器は爆発的に売れました。
日本国内では、もともと一般向けの放射線測定器をほとんど作っていなかったこともあり、外国から大量に輸入されました。
ただ、一般向けの放射線測定器を使って、正確に放射線量を測定する事はとても難しい事です。
そもそも、普段生活出来るくらいの放射線量を正確に測れる機械というのは、非常に高価なもので、数万円で手に入る測定器ではなかなか難しい。
では、一般向けの放射線測定器は役に立たないのでしょうか?
そんな事はありません。
もっとも気を付けなくてはいけない、高濃度の放射能雲を見つけるには十分な性能があります。
放射能雲や、高濃度の汚染などが発生すると、普段の測定値と明らかに違う測定値が出てくるので、すぐにわかります。
そして、この高濃度の汚染を体に取り込むかどうかで、被ばく量に大きな差が出てくるのです。
大人にも重要な事ですが、子どもの被ばくは出来るだけ避けなくてはいけません。
放射線というのは、ただちに影響はなくても長い年月を経て影響がでてくるものです。
測定器が一つあるだけで、子どもの一生が救える可能性もあるのですよ!
どんな測定器がよいか?
防災で必要な測定器は、あまり感度が高くなくても良いと思います。食べ物の汚染を測れるような精密な機器は、個人レベルで使いこなす事は難しいですし、とても高価です。
山猫は、震災の後、1インチのシンチレータを使って、食品の汚染を測れる測定器を自作しましたが、測定用に鉛の箱を作ったり、かなりの資金とエネルギーを投入してやっと出来たという感じでした。
防災用には、もっとコンパクトで、安価で、測定にちょっと時間がかかっても良いから、強い汚染を発見できるというもので十分だと思います。
山猫は市販の測定器もいろいろ試しました。その中で、価格と性能両方に満足できたのは、エステー エアカウンターEX CsIシンチレーション式 放射線測定器 日本製です。
結構大きなシンチレータ(放射線が当たると発光する物質)を使っていて、測定時間も短く、とても役に立ちました。
エステー エアカウンターEX CsIシンチレーション式 放射線測定器 日本製
山猫は、震災後、福島県浜通りで、いろいろ仕事をしていたので、放射線測定器は必需品でした。
但し、メーカーのページを見ると、生産終了とあり、今、店頭に並んでいる物が最後かもしれません(2017年の情報)。価格は20000円前後。
20000円と聞くと高いと思われる方もいると思いますが、東日本大震災の直後は、ウクライナ製の測定器がとんでもない価格で売られていた事を考えると、割安な気がします。
今も生産されている機種ですと、エアカウンターSですね。
価格も実売価格3000円くらいと大変安い!測定に少し時間がかかりますが、緊急用としては十分な性能だと思います。
エアカウンターS
まとめ
放射線測定器は、平時では普通の価格で売られていますが、いざ原発事故があって、すぐに欲しい!という事態になると、とんでもない価格になります。
高い物ではありませんので、今のうちに防災用品の一つとして備えておくのがよいと考えています。
以上今回は、災害時にぜひ備えていてほしい放射線測定器の紹介でした。
最後までお読みくださりありがとうございました。
次回をお楽しみに!
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