(この記事の最終更新日は、2020年6月10日です。)
この記事は、電気柵で使えるソーラー発電を使ったバッテリーシステムを作ろう!連載の11回目よ!
やっと、すべての部品が組み上がったのでご紹介するね!
連載11回目でようやく試作品が完成しました。(パチパチ)過去の記事はこちらから!
緊急企画として始まった、電気柵に使えるソーラーバッテリーシステム。
試作品はアイリスオーヤマのRV バケツアイリスオーヤマ ボックス RVBOX バケツ RV-15B グレー/ダークグリーン 幅34×奥行31.5×高さ27.5cmをバッテリーボックスとして使用し、蓋の上にソーラーパネルを固定する方式としました。
ソーラーパネルは、できるだけ日当たりのよい場所に設置することが望ましいので、パネルだけ別のポールに据え付けるという事も考えたのですが、バッテリーボックスと一体化することが、いくつものメリットがあると考えてこの形になりました。
バッテリーボックスとソーラーパネルを一体化することのメリット
(1) 持ち運びに便利。電気柵装置の移動は、頻繁ではないですが必ず発生します。
台風が接近したら一時避難させなければならない時もあるでしょう。
その様な場合、ソーラーパネルを別のポールにつけてしまうと、ポールを抜いたり挿したりしなければいけませんし、持ち運びが大変です。
一体型にする事で、持ち運びが簡単です。
(2) ソーラーパネルが、バッテリーボックス内の温度上昇を軽減する。(多分)オフグリッドソーラー装置に限らず、鉛バッテリーは高温があまり得意ではありません。
電気柵は屋外に置かれるため、夏場はかなりの高温環境におかれることになります。
ソーラーパネルをバッテリーボックスの上部に設置することで、日傘の効果で、バッテリーボックス内の温度上昇がある程度抑えられるのでは?と考えています。(実際にどの程度温度が上昇するかは、今後実験する予定です。)
(3) コストが安くなります。 別のポールを準備するとその分コストがかさみます。
比較的安い単管パイプを使ったとしても、パイプ本体と取り付け金具など、1000円以上のコストアップとなります。
~主な仕様~
・ソーラーパネル 12W (12V用)SUNYOOO Solar Limited社製
最大出力電圧:17.4V
最大負荷時電流:0.69A
サイズ 435mm × 250mm × 25mm
ソーラーパネル取り付け角度 約10°(水平面に対して)
・チャージコントローラ 電菱 solar amp mini(SA-MN05-8)
システム電圧 : 12V
太陽電池入力電流:8.5A
負荷電流:8.5A
動作温度範囲:-20℃~60℃
寸法 20×50×120mm
・バッテリー LONG社製 12V12Ahディープサイクルバッテリー
完全密封型のディープサイクルバッテリーです。
横倒しにしても使用できるとか。。山猫はちょっと心配なので普通に立てて使っています。
ただ、完全密封式で電解液が漏れない構造なのは大きい。
電気柵用オフグリッドソーラーのように、持ち運ぶ事がある装置では完全密封式のバッテリーを使う事が重要です!
・チャージコントローラ動作モード
常時通電モード
電菱のsolar amp mini は多彩な出力モードを持っていますが、今回は使用先の農家さんの希望があり常時通電モードとしています。
防水対策 及び 耐候性の向上
電気柵用オフグリッドソーラーは、長期間屋外に置かれるため、防水対策がとても重要です。
実際に使ってみないとどこが弱いのか?というのは分からないのですが、とりあえず考えうる対策を実施しました。
また、長期間紫外線などにさらされるため、耐候性も重要な要素となります。
今回の装置で気をつけた点はこちら
(1) ソーラーケーブルは、付属の物をCV ケーブルに変更。
ソーラーパネルに付属していたケーブルは、ビニールキャプタイヤケーブルでした。
ビニールケーブルは、紫外線や雨に弱いので今回のように長期間屋外で使用する用途には向きません。
ソーラーパネルが小さな物なので、実験用なのかも知れません。
CVケーブルは頑丈なのですが、外形がかなり大きくなります。
なんと、外形10.5mm かなりごついケーブルになりました。
また、バッテリーボックス~電気柵本体を結ぶケーブルもCVケーブルを使用しています。
(2) ソーラーパネルの防水強化。ソーラーパネルは防水処理がされているのですが、ケーブルが貧弱だったこともあり、パネルの防水もちょっと心配。
防水強化の為、パネルのガラス面とアルミフレームの間をコーキングしました。コーキング材は耐候性の高い、シリコン系を選びました。
(3) バッテリーボックスの配線の引き出し口は、住宅用に使われている防雨入線カバーを使用しました。
(4) バッテリーボックス内機器は、バッテリーボックスの底から浮かして取り付けました。
バッテリー本体は、9mmの木材を下敷きにしています。
チャージコントローラは、バッテリーボックスの底から30mm離して取り付けました。
多少バッテリーボックスの底に水が溜まっても中の機器が水没しないようにしています。
ただ、計画段階ではあったバッテリーボックスの水抜き穴は、弊害が多そうなので今回はやめにしました。
バッテリーボックスを地面に直に置いた場合、水抜き穴から逆に水が浸入する恐れが高いと判断。(バッテリボックスは、低い籠の上など直置きはしないようお願いするつもりですが、どこまで守られるかは微妙なので。。。)
(5) ソーラーパネルとバッテリーボックスの接続部には、防水ワッシャーを使用しています。
ソーラーパネルとバッテリーボックスはM5のネジ4本で固定してあります。
この接続部から水が浸入する可能性があるので、今回は防水ワッシャーを使用しました。
半分金属、半分樹脂のワッシャーで、ねじ込んで圧縮することで、樹脂部が変形し、ネジや取り付け部に密着します。
今回初めて防水ワッシャーを使用したのですが、よく考えられているなあと感じました。
その他の工夫点
(1) バッテリーボックスの蓋が飛ばないように、荷物固定用のバンドで、ソーラーパネルとバッテリーボックスを固定しています。
(2) ソーラーパネルの取り付け角度は約10°としました。
当初は、蓋に水平に固定(パネルが真上を向く)する事を考えていたのですが、雨水がパネル表面に溜まること。発電効率を上げることなどを考えて、角度を持たせることにしました。フレームも出来るだけ安価に済ませたかったので、長さの異なるL字型のステーを2本ずつ使って、パネルの角度をつけています。
(3) バッテリーボックスの中には、バッテリーの電圧を測るための電圧計と、負荷への給電をON / OFFできるスイッチを設けました。
バッテリーの充電状態は、バッテリーの電圧を測れば大体判断が出来るので、電圧計の有り無しはとても重要です。
また、負荷への給電のON / OFFスイッチは、電気柵に配線する時や、電気柵から配線を取り外すときの安全対策です。
配線が終わってから、スイッチをONするという使い方をする事で、配線のショートを防ぐことが出来ます。(負荷側の配線をショートすると、火花が盛大に散ると共に、チャージコントローラが壊れます。チャージコントローラが壊れる前にヒューズが飛ぶはずですが。。。)
(4) チャージコントローラ- バッテリー間 チャージコントローラ-負荷間には5Aの自動車用ブレードヒューズを挿入しています。
異常な負荷で機械が壊れたり、発火したりする事故を防ぐためです。
以上、電気柵に使えるソーラーバッテリーシステムのシステムの設計ポイントを説明しました。
この、電気柵用 ソーラーバッテリーは、近所の農家さんに実際に使ってもらう計画になっています。
また、設置の模様や使用状況をレポートする予定です。
お楽しみに!
~続きの記事~
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