(この記事の最終更新日は2022年5月26日です。)
今回は耳栓の話。沢山の人が集まる災害時の避難所。大きな地震が来た後は入りきらないくらいギュウギュウ詰めになる事もしばしば。。
こんな人が沢山いる状態での必需品が【耳栓】です。
避難所の環境は様々ですが、たくさんの人が集まるとどうしてもうるさくなります。簡易型のエアコンや大型の扇風機がある場合は、機械音も気になりますよね。そんな環境で少しでも快適に過ごすためには、耳栓が欠かせないのです。
確かに!普段静かな環境ですごしていると、わずかな音でも気になっちゃうよね。。
山猫は普段、ほとんど無音の環境で寝ているので、少しでも音がするとうまく寝る事が出来ません。(そのわりに、朝の目覚ましの音はほとんど聞こえないのですが。。)
耳栓がなければ、避難所での生活はかなり苦しい物になりそうです。
耳栓の選び方
音をどれくらい小さく出来るか(減衰させられるか)
耳栓は、外界から来る音を小さくする道具ですよね。実は耳栓によってどれくらい音を小さく出来るか?は違います。
どのくらい音を小さく出来るかは、日本では、NRR(Noise Reduction Rating)という単位で表します。耳栓のパッケージをよく見ると、20NRRとか33NRRとかいう文字が書いてあるはず。(100円ショップの安い耳栓にも書いてあるのかな?)
例えば、20NRRと書いてあれば、外界の音を20dB(デシベル)小さく出来るという事。同じように、33NRRの場合は33dB(デシベル)小さく出来るという事を表しています。
では20dB小さくするとか33dB小さくするとはどういう事なのでしょうか?
一見20dBと33dBでは、大した性能差はないような気がしますが、実は全然違うのです。dB(デシベル)はちょっと変わった単位で、数字が6進むと2分の1になります。
つまり、減衰量を数値で表すと。。
0dB:元の音
6dB:2分の1 (0.5倍)
12dB:4分の1 (0.25倍)
18dB:8分の1 (0.125倍)
【20dB:10分の1 (0.1倍)】
24dB:16分の1(0.0625倍)
30dB:32分の1(0.03125倍)
【33dB:45分の1(0.0222倍)】
20dBは、10分の1なのに対し、33dBは、45分の1
倍率に直してみると、かなり違うなあという感じがしますよね!なんとなく外界の音が10分の1になったらかなり小さくなって聞こえなくなりそうですが、人間の耳は優秀なので音量が10分の1になったからと言って、まったく何も聞こえなくなるわけではありません。
ただ、かなり音量は小さくなりそうです。
では、どのくらい?と聞かれると正確に答えるのは難しいのですが、一般的に言われているdBと騒音レベルの関係から考えてみる事にします。
騒音レベルと音の大きさ
- 100dB:ガード下で電車が通過した時
- 90dB:犬の鳴き声、怒鳴り声、カラオケ店内
- 80dB:地下鉄の車内、ピアノの演奏、騒々しい工場
- 70dB:騒々しい事務所、掃除機、
- 60dB:普通の会話、乗用車の内部
- 50dB:エアコン室外機、静かな事務所
- 40dB:閑静な住宅街、深夜の街中
- 30dB:ささやき声、深夜の郊外
静かな寝室は、40dB~50dBくらいでしょうか?
一方、避難所は、60dB~70dBくらい。ぐっすりと寝る為には、60dB~70dBの音を、40dB~50dBくらいまで下げる必要がありそうです。
実は、dB(デシベル)は引き算が出来ます。
60dBの環境で20NRR(20dB減衰)の耳栓を使った場合、60dB – 20dB = 40dBという事になるのですね。計算が簡単で助かります。
70dBのかなりうるさい場所でも20NRRの耳栓を使えば、50dBまで。33NRRの耳栓を使えば、40dB以下まで、外界の音を小さく出来る事が分かります。
個人的には、避難所では20NRRくらいの耳栓がいいのでは?と考えています。
あまり減衰量の大きい耳栓では、必要な音も聞こえなくなってしまうからね!
このあたりは、いろいろな耳栓を試して選んでいくしかないかな。
耳栓のタイプ
現在売られている耳栓は大きく分けて3種類。それぞれに特徴があります。
・ウレタンスポンジ:柔らかいスポンジを潰して耳の中に入れます。一番メジャーな耳栓で、100円ショップにも売られています。耳栓が耳管を押し広げるので、合わない耳栓を使うと耳が痛くなってしまう事も。自分の耳の形にあった耳栓を選ぶことが重要です。
・シリコンゴム:遮音特性は、ウレタンスポンジ製よりも優れている製品が多い。ただ、ウレタンスポンジよりも固いので、耳が痛くなってしまう人も。。防災用としてはおすすめしません。
・シリコン粘土:最近出てきた、新しいタイプの耳栓。一見すると耳につけるものには見えません。これは粘土じゃないか!こんな物を耳につけて大丈夫なの?と心配になりますが、使い方を間違えなければ、心配ないそう。耳へのフィット感がよく、ウレタンスポンジの耳栓で耳が痛くなってしまう人でも使える可能性があります。シリコン自体は安全性の高い物質なので、長時間肌についていても、肌のトラブルになる可能性は低いそうです。
山猫お勧めの「耳栓」
ウレタンスポンジタイプのおすすめ
ウレタンスポンジタイプはとにかく、フィット感が大事。いくら高価な耳栓でも、自分の耳に合わなければ、痛いだけです。だから、この製品がおすすめ!とは言えないわけです。
という事で山猫がお勧めするのは、一つの製品ではなく、いろいろなタイプの耳栓を試す事が出来る、耳栓お試しセットです。
MOLDEXは、ウレタンスポンジ製 耳栓の有名メーカー。
いろいろなタイプの耳栓を販売しているのですが、これは、8種類の耳栓をセットにしたもの。実際につけてみて、自分の耳に合うかどうか確認できるわけです。
これ!というものが見つかったら、あとは、自分の耳に合う耳栓だけを買えばよいという仕組み。
人によって、耳の形は様々なので、こうやっていろいろな形から選べるようになっているのです。
シリコン粘土タイプのおすすめ
シリコン粘土タイプの耳栓は、実績のある、Mack’s Pillow Macks Pillow Soft シリコン耳栓 6ペア NRR22 #7 透明【正規輸入品】がおすすめ。
Mack’s Pillow Macks Pillow Soft シリコン耳栓 6ペア NRR22 #7 透明【正規輸入品】
見た目は、白い粘土。。こんな物を耳に入れて大丈夫なの?と心配になりますが、実際は耳に入れるというより、耳をふさぐという物。
変形させて耳の入り口に貼るというイメージです。
遮音性は、ウレタンスポンジの方が良いという人が多いのですが、とにかくこの粘土タイプの耳栓は「耳が痛くならない」のがポイント!
山猫は、ウレタンスポンジの耳栓を長くつけていると、どうしても耳が痛くなってしまうのですが、このタイプなら大丈夫。本当にまったく痛くならないのです!
でも寿命はどうなの?使い捨てなの?
この商品6ペア入りで1000円くらいで売られています。1ペア150円くらいですね。
一見、使い捨てなのかなーと思ってしまいますが、実はかなりの回数使う事が出来ます。
製品の劣化というより、だんだん汚れてきて交換するというイメージ。
人によっては、1つのペアを3~4ヵ月使うそうです。という事は、1箱買っておけば、毎日使っても1年以上もつという事ですね。
ウレタンスポンジの耳栓は、最初はいいのですが、徐々にヘタって来てしまいますが、このシリコン粘土のタイプは、ほとんど変化がありません。
というか、形が変えられる粘土なので、劣化があまり気にならないのかもしれませんね!
いままで、ウレタンスポンジタイプの耳栓しか使ったことのない人は、ぜひ一度使ってほしいと思います。その快適さにびっくりすると思いますよ!
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