(この記事の最終更新日は、2020年5月11日です。)
こんにちは!山猫おソーラーの備えるブログ管理人の山猫です。(@yamaneko_solar)
災害時に役に立つ移動式のオフグリッドソーラー(独立型太陽光発電装置)を作ろう!の6回目です。
今回は、前回に引き続きバッテリーの選び方。(前回の記事はこちら!)
では、早速見ていきましょう!
続・バッテリーの選び方
前回は、要求仕様 雨天などで充電できない場合でも、最低一日は、スマホ(携帯)を4台同時に充電し続けられる容量という事で、バッテリーの選定を行いました。
その結果候補に選ばれたのは、12V50Ah ~12V100Ahの品。
今回は、別の観点からバッテリーの選別を行っていきたいと思います。
充電電流とバッテリーとソーラパネルの関係
バッテリーの回の一回目で触れましたが、密封型のバッテリーは急速充電が出来ません。
では、急速充電とはどれくらい急速なんでしょうか?
急速充電ができないのならば、どのくらいの速さで充電させればよいのでしょうか?
分からないことだらけですね。。
- 急速充電:1時間でバッテリーをフル充電する勢いで充電する方法です。
実際には、満充電まではやってはいけないようで、8割くらいまでしか充電できないようです。
12V100Ahのバッテリーを急速充電する場合、100Aの電流をバッテリーに流すという事になります。
100Aを1時間流した場合の電流量が100Ahでしたね。
この1時間で満タンにする充電を1cで充電するという事もあります。 - 普通充電:急速充電に対して、通常の速度でバッテリーに充電する事です。
ディープサイクルバッテリーの場合、この普通充電で定められた電流量よりも小さな電流で充電しないと、最悪バッテリーが破裂します。
この普通充電は、バッテリーの容量の1/10の電流で充電する方式です。
100Ahのバッテリーの場合は、10Aという事になります。
ソーラーパネルの出力は、最高で、50W品で3Aくらい。100W品で6Aくらいでした。
- 安全を重視して、いかなる時も普通充電の規定を超えないようにすると考えると、ソーラーパネルとバッテリーの関係は以下のようになります。
50Wのソーラパネルに対応したバッテリ:3Aの充電に耐えられると考えると、12V30Ah以上のバッテリーが合いそうですね。12V50Ahあたりが候補になります。
100Wのソーラーパネルに対応したばってり:6Aの充電に耐えられると考えると、12V60Ah以上のバッテリーが良さそうです。12V100Ahあたりが候補になります。
2.ソーラーパネルが最大出力になるのは、晴天でしかもパネルと太陽が正対したときだけ。
最大出力が出る事はほとんどない。という点と、実際のディープサイクルバッテリーの最大許容充電電流(これ以上の電流をながしちゃだめ!という値)は普通充電の規定よりも大きい場合が多い。(つまり普通充電の規定 バッテリーの容量の1/10よりももう少し流し込んでも大丈夫)とすると、(1)で上げた組み合わせよりももう少しバッテリーを小さくしても実用上は大丈夫な場合が多いです。この場合は、
50Wのソーラーパネルに対して、12V30Ahや12V20Ahのバッテリー
100Wのソーラーパネルに対して 12V50Ahのバッテリー
が候補になると思います。
という事で、充電電流を考えると、ソーラーパネルとバッテリーの大きさはセットで考えなくてはいけないという事が分かりました。
今回の検討の結果:パネルとバッテリーの組み合わせは以下の通り。
50Wのパネル : 12V20Ah~12V50Ah
100Wのパネル:12V50Ah ~12V100Ah
もちろん、バッテリーが大きければ大きいほど充電電流の余裕は大きくなるのですが、今度は、充電に時間がかかりすぎるという問題が発生します。
どの程度で満充電にすべきか?というのは意見の分かれる所ですが、例えば、晴天が1週間続かないと、バッテリーが充電されないというのは、困りますよね。。。
バッテリーの重さ
移動式の装置ですので、大人が一人で装置一式を運べるというのが重要な要素になります。
実は鉛のバッテリーって重たいんです。
鉛と言えば重たい金属の代名詞みたいなものですしね。。
実際は、バッテリーとその他の部品(チャージコントローラなど)を一つの箱に詰める事になりますので、バッテリーの重さ+その他の部品の重さ+箱の重さという事になります。
この箱が持ち上がらいようだと、いざというときに、役に立たないという事になります。
出来れば女性が一人でもてるくらいの重さにしたいものです。
そんな観点から、バッテリーの重さを調べてみました。
メーカによって多少重さが違いますが、参考になるかな。
12V30Ah
- LONG ディープサイクルバッテリー(WP30-12TNE)10.1kg
12V50Ah
- LONG ディープサイクルバッテリー(WP50-12NE)14.24kg
12V80Ah
- ACDelco [ エーシーデルコ ] マリン用ディープサイクルバッテリー[ Voyager ] M24MF(80Ah) 19.9kg
12V100Ah~12V115Ah
- LONG 12V100Ah ディープサイクルバッテリー (KPH100-12AN)30.5kg
- LONG 12V110Ah ディープサイクルバッテリー (KPH110-12N)32.5kg
- ACDelco [ エーシーデルコ ] マリン用ディープサイクルバッテリー[ Voyager ] M27MF(105Ah) 23.6kg
- ACDelco [ エーシーデルコ ] マリン用ディープサイクルバッテリー[ Voyager ] M31MF(115Ah) 26.5kg
移動式という事を考えると、LONG社製の12V50Ah くらいが扱いやすい重さになるかと思います。LONG社のディープサイクルバッテリーは、完全密封型になっていて、傾けてもひっくり返しても液漏れがないというのもメリット。
ACDelcoのバッテリーは、比較的軽量で価格も安いのですが、完全な密封式ではないので、大きく傾けると液漏れするようです。
据え置き型のオフグリッドソーラーでは、よい選択肢になると思いますが、今回は、移動式のオフグリッドソーラー装置を作ろうという企画なので、LONGのバッテリーの方が良いのかもしれません。
という事で、重量を考えると、12V30Ah ~12V50Ahくらいが候補になります。
今回、紹介したバッテリーはこちら
- LONG製 12V36Ah ディープサイクルバッテリー U1-36NE LONG製バッテリーは完全密封型なので、安心感があります。
- LONG製 12V50Ah ディープサイクルバッテリー
LONG 12V 50Ah 高性能シールドバッテリー【高耐久タイプ】(WP50-12NE) WP50-12NE
- ACDelco [ エーシーデルコ ] マリン用ディープサイクルバッテリー[ Voyager ] M27MF(105Ah) 完全密封式ではないので、大きく傾けると液が漏れてきます。但し、容量あたりの価格は、LONG製よりも安いので、液漏れをしないように気を付けて運用すれば、候補にあがります。
ACDelco [ エーシーデルコ ] マリン用ディープサイクルバッテリー 国産車 [ Voyager ] M27MF
まとめ
いろいろな観点から、バッテリーの容量の選定方法をご紹介しました。
すべての満たす回答があればよいのですが、何かをあきらめないと、装置として使えないという事もあると思います。(重すぎて動かせないとか。。)
とりあえず、バッテリーの選び方は今回でおしまいにします。
次回は、今までの検討を元に、もう一度移動式オフグリッドソーラーの仕様について考えていきたいと思います。
~今回の記事で紹介したグッズはこちら~
次回をお楽しみに!ではまた
~続きの記事へ~
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